ピアノ

ショパンのワルツ第7番

ショパンのワルツの中でも、最も人気の高い曲の一つである第7番は、その美しい旋律で多くの人々を魅了しています。この記事では、この素晴らしい曲の歴史と特徴等について詳しく紹介していきます。

ショパンのワルツ第7番を解説します

「ワルツ第7番」の正式名称は、ワルツ第7番 嬰ハ短調 作品64-2です。
1947年頃に作曲されていますから、ショパンが亡くなる2年ほど前の作品であり、ショパン最晩年の曲の一つとも言えます。「最晩年」と言ってもまだ30代後半であり、本来なら「人生まだまだこれから」という若さです。にもかかわらず死期が迫っている覚悟をしなければならないほど健康状態は悪化しており、10年来の恋人であるジョルジュ・サンドとも破局が迫っていました。そうした焦りや不安な気持ちが空回りしている様子を描いたかのような旋律が、このワルツ第7番でも最も印象的であると共に、この曲の魅力ともなっています。

ショパンの代表作の一つであるにもかかわらず、技術的な容易さもあって、初心者から上級者まで幅広いレベルの方が楽しめる曲となっています。曲の冒頭から終盤まで、音色やリズムの変化に注目しながら演奏することで、より深い表現力を引き出すことができます。

是非、この曲の美しい旋律を弾きこなす事に集中して取り組み、自分なりの表現方法を見つけてみてください。速く弾いても、ゆっくり弾いても、それなりの魅力が発揮される名曲です。演奏に自信がついたら、ぜひ誰かの前で披露してみることをおすすめします。この曲の素晴らしい魅力も手伝って、あなたのピアノの腕前にびっくりされる事でしょう。

ワルツ第7番、楽譜の構成

ワルツ第7番の楽譜は、嬰ハ短調の複合三部形式で、A-B-C-B-A-Bの順で各主題が繰返し現れます。主題Cのみ変ニ長調で、他は全て嬰ハ短調です。
気持ちが空回りしているような主題Bは3度も現れるので、自分なりに気持ちを込めてそれぞれ演奏の表情を微妙に変えてみると良いでしょう。
ショパンの曲の割には技術的に容易なのに中身は非常に濃く、ショパンの魅力がぎっしり詰まった名曲なので、まずはゆっくりと演奏する練習を繰返して指を曲になじませてから、次第にテンポアップして、この曲の魅力を引出していって下さい。

ワルツ第7番は初心者でも弾ける?

ゆっくり弾いても、それなりに美しい曲として成立しますので、初心者の方も積極的に取り組まれる事をお勧めします。慣れるに従って徐々に加速していくと思いますが、必ず自分の演奏を録音で聴いて、音の粒が揃っているかのチェックはして下さい。実力を超えたスピードで弾いて音にゴマカシが滲み出てくると、せっかくのワルツが台無しですから。

私が初めてワルツ7番を聴いた時

ある日、私はショパンのワルツ全曲を収録した全音の楽譜とアシュケナージのCDを入手し、1番から順に聴いていきました。その時、圧倒的に「自分で弾いてみたい!」と感じたのが第7番だったのです。単に旋律が美しいとか言う事ではなくて、この曲そのものにシビレちゃったんですね。

その後、私がこの曲を弾くために練習に打ち込んでいった様子は、一言で言えば「執念」という言葉がふさわしいと思います。私はこの曲を弾けるようになるため、毎日4時間ピアノの前に座り、この曲だけを練習しました。弾いているときは我を忘れ、完全に音楽に没頭していました。

そして数か月後、遂に私はショパンのワルツ第7番を、最後まで通して弾けるようになりました。でも、それで終わりではありません。むしろ「始まり」です。ピアノの練習は、楽譜を暗譜する段階と、完全に暗譜してから、その曲の弾き方を磨いていく「訓練」の段階の2種類があります。暗譜する段階は、総じて苦しいものですが、暗譜してから演奏を磨いていく段階は、至福の時間の過ごし方になります。

私はこの曲を弾けるようになるため、長い時間を費やし努力を重ねましたが、その成果は努力に十分過ぎるほど見合うものでした。小学校の時に、嫌々ピアノを教わり、脚気にまでなってしまった私が、こんなに綺麗な曲が弾けるようになるなんて!その後の私が更にピアノに打ち込んでいったのは、言うまでもありません。

ワルツ第7番のお手本動画

ヴァレンティーナ・リシッツァさんの演奏です。

Chopin Valse Op 64. No 2. Waltz in c sharp minor #7 Valentina Lisitsa

軽快な演奏のお手本です。こんなに弾けたら、どんなに素晴らしい事でしょう?


こちらは、エフゲニー・キーシンさん。

EVGENY KISSIN plays CHOPIN Waltz Op.64 n.2

彼も、速く弾こうと思えば弾けるのですが、あえてゆっくりぎみの演奏で、この曲の魅力をじっくり引き出そうとしているかのうようです。

ショパンのワルツ第7番の解説:まとめ

ショパンのワルツ第7番は、その美しい旋律で多くの人々を魅了しています。ショパン晩年の作品であり、彼の焦りや不安な気持ちが空回りしている様子を描いたかのような旋律が、この曲の大きな魅力となっています。初心者から上級者まで幅広いレベルの方が楽しめる曲であり、単調に演奏するのではなく、音色やリズムの変化に注目しながら演奏することで、より深い表現力を引き出すことができます。ゆっくり弾いても十分魅力的な曲ですので、音の一つ一つを大切に、粒が揃うように練習していって下さい。