ピアノ

ショパンのノクターン第2番 作品9-2

ショパンは、その生涯で全21曲のノクターンを作曲していますが、第2番(変ホ長調 作品9-2)が最も有名であり、単に「ショパンのノクターン」と言えば、この第2番を指す事が多く、ショパンの代表作の一つにもなっています。美しい旋律と和声が特徴的であり、多くの人々に愛されています。この記事では、この曲について詳しく解説し、この曲を練習する人は勿論、聴き手の方々にとっても役立つ情報を提供します。

ショパンのノクターン第2番作品9-2の概要

夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2は、ショパンが1830年代に作曲したピアノ曲の一つです。冒頭から美しい旋律と和声が繰り広げられ、静かで穏やかな雰囲気が漂います。しかし、次第に音楽は盛り上がり、荘厳なフレーズや情熱的な旋律が現れます。そして、最後は静かな響きで終わります。

ショパンのノクターン第2番作品9-2の特徴

夜想曲第2番 変ホ長調 作品9-2の特徴は、美しい旋律と和声にあります。ショパンは、この曲で非常に多くの和音を用い、独特の和声感覚を表現しています。また、曲の中盤から終盤にかけての情熱的なフレーズや、冒頭と終盤の静かな部分との対比も特徴的です。
多くの和音を覚える必要があるので、練習には時間と根気が必要となりますが、一つ一つ丁寧に覚えていけば、特に技術的に高難度なところも無いので、必ず最後まで到達できるでしょう。
実はショパンは当時、ピアノの個人レッスンでも生活の糧を得ており、誰もが弾いてみたくなるような甘いメロディの魅力的な曲でありながら、初心者でも練習しさえすれば比較的容易に弾けるようになるよう難度を落としたこのノクターン第2番を作曲する事により、生徒の数を増やす事に成功したという逸話が残っています。彼のエチュードやポロネーズのように、素晴らしい名曲ではあっても、凡人には演奏が難しい曲ばかりでは生徒数が増えにくいですが、このノクターンのように、非常に魅力的な楽曲であると同時に、演奏に要求される技術レベルは比較的低いこの曲を準備したのは、ショパンの商売上手な一面がよく現れていると思われます。

ショパンのノクターン第2番の演奏のポイント

ノクターン第2番 作品9-2を演奏する上で、注意すべきポイントがあります。まず、曲の冒頭から静かで穏やかな雰囲気を大切にし、旋律と和声を丁寧に表現することに努めます。そして、次第に盛り上がっていく部分では、フレーズの繋ぎ目や音の長さに注意して演奏する必要があります。また、曲の終盤では、静かな響きを大切にし、美しい旋律を優しく奏でるように心がけましょう。

上記のように言葉で解説すると難しそうに思われるかもしれませんが、お手本となるプロの演奏を何度も聴いて完全に頭に入れた上で、自分の演奏も頻繁に録音してはお手本と比較し、改善点を修正していく練習を根気よく続ければ良いだけです。この事は、この曲に限らず、あらゆる課題曲を練習していく上で、共通した鉄板の練習法と言えます。

ショパンのノクターン第2番のお手本動画

辻井伸行さんのノクターンです。
名演であるのは勿論ですが、練習のお手本としても最適な演奏となっています。
何度も見て自身の演奏と比較し、細部までコピーしてみて下さい。

NobuyukiTsujii / Chopin: Nocturne Op.9 No.2 May 16th, 2022

お次はウクライナのキーウ出身のピアニスト、ヴァレンティーナ・リシッツァさんです。
この人特有の、右手の柔らかい動きを真似できれば、自分の演奏までソフトになるかも?

Chopin Nocturne E Flat Major Op.9 No.2

まとめ

ノクターン第2番 変ホ長調 作品9-2は、美しい旋律と和声が特徴的であり、ショパンの代表作の一つにもなっています。この記事では、曲の背景や特徴、練習のポイントなどを紹介しました。この記事が、演奏家や聴き手の方々にとって、ノクターン第2番をより深く理解する手助けになれれば幸いです。

社会人となった私が自分専用の電子ピアノを購入し、ショパンの作品も何曲か練習してみました。その中で最初に最後まで通して弾けるようになったのがこのノクターン2番です。技術的に高度なテクニックを要求される事がないので、根気よく練習を継続して暗譜に努め、暗譜(=楽譜を全く見ないでも、指が自動的に演奏してくれるレベルの意味)した後も自分の演奏の録音を聴いて、改善点を徹底的に潰していく、という練習を執拗に継続すれば、誰でもが納得のいく演奏ができるようになるはずです。と同時に、ハノンに代表される「指を速く動かす訓練」を毎日一定時間行う事を自分に課していけば、その人の努力次第で、独学でもかなりのレベルまで上達できますので、自分を信じて頑張ってみて下さい。